小学生のころの夏休み、父と映画を見に行く約束をしました。当時大人気だった「たのきんトリオ」の映画です。映画館に着くと、女の子たちが大騒ぎ。小学生だった私は、中学生や高校生がキャーキャー言ってる姿に驚きました。その気持ちはどうやら父も一緒だったらしく・・・。
映画が始まると、やたらとライオンやヒョウといった猛獣が出てきます。舞台は外国でお目当てのトシちゃんもマッチもよっちゃんも出てきません。
そうです。映画館の前で若い女の子のパワーに怖れをなした父は、知らんぷりして他の映画のチケットを購入していたのです。その映画は「ロアーズ」。
156頭もの猛獣と一緒に暮らすことになった一家が猛獣と仲良くなるまでの混乱を描いた作品。今見たら楽しいのかどうかわかりませんが、小学校の低学年だった私にはさっぱり意味が分からない映画でとてもつまらなかったのを覚えています。
そして、健気にもいつか「たのきんトリオ」が出てくると信じて2時間見続けたのです。映画が終わり、「どうして、たのきんトリオは出てこなかったの?」っと聞いた私に、「そうか?」っと、すっとぼけて答えた父。どうも、腑に落ちないまま帰途につきました。
父も私に悪いことをしたと思ったのか、帰りにはマクドナルドで憧れのビッグマックを買ってくれ、シェイクまで付けてくれる大盤振舞。ついでにデパートのおもちゃ売り場でおもちゃも買ってくれました。
いつもならうれしいはずなのに、この日は全てが腑に落ちない気持ちで帰ってきたことが印象的です。